SNSのグループ・コミュニティ参加、心は疲れていませんか?自分軸で選ぶ・関わる距離術
SNSのグループ・コミュニティ参加は心を豊かにするか、疲弊させるか
SNSには、趣味や関心事が同じ人たちが集まるグループやコミュニティが数多く存在します。これらの場は、情報交換をしたり、共通の話題で盛り上がったり、悩みを分かち合ったりと、素晴らしいメリットをもたらす可能性があります。共感を得られる場所があることで、孤独感が軽減されることもあるでしょう。
しかし一方で、SNSでのグループやコミュニティ参加によって、知らず知らずのうちに心が疲弊してしまうという声も聞かれます。常に流れてくる情報に追われる感覚、人間関係における気疲れ、期待に応えなければならないというプレッシャーなど、様々な要因が考えられます。
SNSのコミュニティは、リアルな人間関係とは異なる独特の距離感があります。この距離感を上手に掴めないと、せっかくの交流の場が、かえってストレスの原因となってしまうかもしれません。この記事では、SNSのグループやコミュニティと心穏やかに付き合うための「デジタル距離術」について考えてみたいと思います。
なぜSNSのグループ・コミュニティで疲れてしまうのか
SNSのグループやコミュニティでの疲労には、いくつかの典型的な要因が考えられます。
- 同調圧力や期待に応えようとする気持ち: コミュニティの雰囲気や主流の意見に合わせなければならない、積極的に発言して貢献しなければならないといったプレッシャーを感じることがあります。
- 「参加しているのだから」という義務感: 一度参加すると、毎日チェックしたり、コメントに反応したりすることに、内的な義務感が生まれてしまうことがあります。
- 情報の洪水: 多くの参加者が活発にやり取りをするコミュニティでは、あっという間に情報が蓄積されます。これを全て追いかけようとすると、時間もエネルギーも奪われてしまいます。
- 人間関係の煩わしさ: 人が集まれば、様々な意見や考え方を持つ人がいます。時に意見の相違やトラブルに巻き込まれたり、自分と合わないタイプの人との交流に気を遣ったりすることもあります。
- 自分のペースを乱される感覚: コミュニティの活発さに引きずられ、自分の本来のペースや時間配分が乱されてしまうと感じることがあるかもしれません。
これらの要因は、自分自身の心地よい距離感やペースを見失ってしまうことから生じることが多いようです。
自分軸で選ぶ:参加するコミュニティの見極め方
コミュニティ参加で疲弊しないためには、まず「どのようなコミュニティに参加するか」を自分軸で選ぶことが大切です。
- 参加目的を明確にする: なぜそのコミュニティに参加したいのでしょうか?特定の情報を得たい、趣味を共有する仲間を見つけたい、専門知識を深めたいなど、目的をはっきりさせましょう。目的が不明確なまま参加すると、何を得たいのか分からず、ただ流れてくる情報に振り回されやすくなります。
- 「MUST」ではなく「WANT」で選ぶ: 「みんなが参加しているから」「参加しないと置いていかれる気がするから」といった義務感や焦りではなく、「純粋に興味がある」「この人たちと交流したい」というポジティブな気持ちで参加したいと思える場所を選びましょう。
- 事前の情報収集や観察期間を設ける: 可能であれば、参加前にコミュニティの公開されている部分や、過去の投稿などを少し見て、雰囲気や参加者の様子を観察してみるのも良いでしょう。いきなり深く関わらず、「ROM専」(読み込み専門)として一定期間様子を見るのも有効な方法です。
- 「合わなければ離れる勇気」を持つ: 参加してみた結果、思った雰囲気と違った、自分には合わないと感じた場合は、無理に留まろうとせず、静かに離れる選択肢も常に持っておきましょう。自分にとって健全でない場所に居続ける必要はありません。
自分軸で関わる:疲れないための具体的な距離術
参加するコミュニティを選んだ後も、心穏やかに関わり続けるためには、意識的に距離を調整することが重要です。
- 通知設定を見直す: コミュニティからの通知が多すぎると、常に意識がSNSに向いてしまい疲労の原因となります。通知をオフにする、重要な情報に関するものだけ通知をオンにするなど、自分にとって適切な設定に調整しましょう。
- 参加頻度・関わり方のペースを決める: 毎日チェックしたり、全ての投稿に反応したりする必要はありません。週に数回だけ見ると決める、コメントは本当に伝えたいことがある時だけにするなど、自分の生活スタイルや心の状態に合わせた無理のないペースを設定しましょう。
- 情報を選別してインプットする: 全ての情報を追いかけるのは不可能ですし、その必要もありません。興味のある話題や重要なアナウンスを中心にチェックし、それ以外の情報は流し見する、あるいは後でまとめて読むなど、効率的な情報のインプット方法を工夫しましょう。
- 「聞く」「見る」に徹する勇気を持つ: コミュニティは発言する場でもありますが、無理に発言する必要はありません。他の人の投稿を読んだり、会話を追ったりするだけの「ROM専」も、コミュニティを成り立たせる重要な存在です。プレッシャーを感じず、自分が心地よいと感じる関わり方で参加しましょう。
- 人間関係のパーソナルスペースを意識する: コミュニティは多様な人が集まる場です。全ての人と親密になろうとする必要はありません。適度な距離感を保ち、心地よいと感じる人との交流を大切にしましょう。合わないと感じる人に対しては、反応を控える、ミュート機能を使うなどで、自分自身の心の安全を確保することも必要です。
- 疲れたら休息をとる: コミュニティでの交流に疲労を感じたら、一時的に距離を置いてSNSから離れる時間を作りましょう。ログアウトする、アプリを一定期間開かないなど、物理的な距離をとることも有効です。
まとめ
SNSのグループやコミュニティは、使い方次第で私たちの世界を広げ、豊かなつながりをもたらしてくれる素晴らしいツールとなり得ます。しかし、そこで生まれる人間関係や情報過多が、ストレスの原因になることも少なくありません。
大切なのは、他人のペースやコミュニティの雰囲気に流されることなく、自分自身の心地よい距離感とペースを見つけることです。なぜ参加するのか、どのように関わりたいのかを自分軸で考え、無理のない範囲で、心穏やかに交流できる場所を見つけていく姿勢が、SNS疲れを防ぐ上で非常に重要になります。
もし今、参加しているコミュニティで疲労を感じているのであれば、それは自分にとって心地よい距離感から離れてしまっているサインかもしれません。この記事で紹介した「距離術」を参考に、自分にとって本当に良い影響を与えてくれるコミュニティとの関わり方を見直してみてはいかがでしょうか。